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十分おかしくなっている
団長の彼女さんって、どんな人なんだろうな。鍛錬の休憩中、隣にいる同僚へそう尋ねると「彼女じゃなくて、彼氏な」と訂正される。 彼氏、彼氏かあ。なんとなく、肩透か…
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青く燃える星
「俺の世界には、青色に燃える星が存在していたらしいんです」「青い星ですか?」「はい。俺も詳しくは知らないんですけど、他の星よりずっと高い温度を保っているから、特…
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満たされない胃の底
「最近、やけにお腹が空くんです」 ヒースにそう教えられたのは、彼のほうきに乗せてもらって、訓練から帰る途中のことだった。 夏の夕方にふさわしい、なまぬるい風。俺…
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免罪符
「俺、カインより一つ年上なんですよ」 そう教えられたときの、俺の驚きようを想像してほしい。二十二歳と二十三歳。たった一歳差じゃないか、と思われるだろうが、自分は…
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あなたの形をした余白
あなたがこの手紙を手に取ったのは、封筒に書かれた自分の名前に気がついたからだと思います。開けてみたら、全然知らない言葉で書かれているから、びっくりしたでしょう…
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匂い立つような花
「十二歳の少年は花のように美しく、十三歳の少年はそれを超えるほどに愛らしい」こんな風に歌いあげた、古代ギリシャの詩が存在する。その年頃の少年にしかない美しさを…
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愛されているから怖かった
衣擦れの音と、金具がこすれ合う音で目が覚めた。まだ少しぼんやりとする視界の中で、こちらに背を向けて着替えをするカインの姿がある。まだ夢を見ているような心地で、…
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逃げ道を塞がれた祝福
いま思い返すと、想いを告げるには絶好のシチュエーションだったのかもしれない。自分も目が冴えてしまって、と言う彼を連れて、中庭へ出たのが全てのはじまりだった。「…
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甘やかな失声
目を覚ました時、いつもと変わらない朝が来たかのように思えた。けれど、寝返りをうった途端に、それが間違いだったと気づく。目の前に、賢者さまの寝顔があった。ヒース…
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残弾なしまでの猶予
ヒースから向けられる好意について、うすうす勘づきながらも、心の中では否定していた。ただの思い込みだ、とか、親切にしてくれてるだけの彼に失礼だ、という風に。「賢…