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ジャンルのこと、サイトのことなどモリモリ書き散らしてます。CPについての語りも急に飛び出すので注意。▶︎サイトに戻る

No.523

#東方

数日前から東方熱が続いているので、また語っていきます。
東方界隈で大きな激震が走ったターニングポイントといえば、「緋想天発売」「幻想万華鏡発表」「春河もえ先生のコミカライズ(東方鈴奈庵)」だったと思う。
これは私が観測している範囲の出来事なので、おそらく違う世代の人からすると別のことがターニングポイント扱いされる気がする。前の世代なら「永夜抄発売」だろうし、後の世代なら「ソシャゲ化」になりそう。


特にこの「幻想万華鏡」は自分の東方人生の中でかなりの衝撃だった。

幻想万華鏡とは:東方projectを原作とした、同人サークル「満腹神社」が作成した同人アニメ

同人サークルが作った同人アニメ、というところが一番の特徴で、言ってしまえばプロのアニメ会社が手をつけているわけではない、一般のファンコミュニティでこの映像を作れてしまったことが、当時の二次創作界隈で大きな話題となっていた。

今の時代、特にYouTubeなんかでは個人が投稿した歌ってみた動画にプロ顔負けのアニメーションやPVがつけられているなんて当たり前だけど、15年前のこの頃は、当時ブイブイ言わせていたボーカロイド界隈でさえ本格的なアニメPVをつけることはコスト的に無理だった。
cosMo@暴走Pさんの投稿作品を古い順に見ていけば分かりやすいけど、個人が投稿する動画はほとんどが1枚絵に歌詞をつけたもので、ちょっと手の込んだものだと1動画に10枚程度の紙芝居PV、それでさえ「豪華」と褒めたたえられていた。
プロが作成班に加わってようやくブラック★ロックシューターのようなMMDPVを作れるという感じ。当然1枚1枚手書きのアニメなんてそうそう作れない。

そんな風な環境で、この幻想万華鏡が投稿された時の熱狂具合を想像してみて欲しい。
当時の自分は、誇張抜きで「東方もついにここにまで来たんだな……」と涙が頬を伝うかと思った。
15年前といえば、今よりもずっと技術が発展してなくて、かかったコストも時間も途方もないだろうし、しかも趣味で稼ぐことが忌避されていた風潮の中で儲けを度外視して作ったのだろうものがこれだということが、本当に本当にすごい。
15年後の今見ても古いとは感じないこのクオリティがすごい。
当然二次創作界隈の沸き立ちようもすごくて、「こえ部」が流行っていた頃だったのもあって「幻想万華鏡に声を当ててみた」動画が投稿されたり、あとは幻想万華鏡設定の小説や漫画が投稿されたりもした。

ちなみにだけど、上に載せたYouTube動画は、2010年当時に投稿されていたものとちょっと違っている。
いわゆるカラオケ映像みたいな感じで、曲のフル尺に合わせてOP映像と本編映像とをいい感じにつなぎ合わせているものである。
なので、前半のOP部分も実際のOPとタイミングがずれてたりする。
OP単体の動画は無いのかな?と公式チャンネルを探してはみたんだけど、何故か見当たらなかった……。

じゃあニコニコの動画を持ってくるか~~~と探してたのだが、OP単体動画はあるもののこんなにコメント少なかったっけ……? と違和感を覚えた。
見ると、2010年より後に再投稿されたものだった。
試行錯誤して、ようやく初投稿時の動画へのリンクを見つけた! とクリックしたら、投稿者によって削除されていた。
そんな~~~~~😭
色々理由はあるのかもしれないけど、記録として残していて欲しかった……。

この動画削除についてもそうなんだけど、今のニコニコで「過去ログ機能」が無くなってしまったのも個人的にはすごく惜しい。
ニコニコは、新しいコメントが投稿されるたびに、古いコメントが過去ログに格納されて、動画再生時には流れなくなる機能がある。
過去ログ機能を使えば、「2010年●月●日までに投稿されたコメント一覧」みたいに指定して当時のコメントを流して視聴することも以前は可能だった。
しかし今は過去ログ機能自体が消えてしまったので、当時の熱狂を振り返ることもできなくなっている……。
ほんまにほんまにこれが悲しい。

ニコニコが悪い、と言いたいのではなく、ちょっと前のジオティーズサービス終了のように、こうやって電子空間に積み重なっていた記録を振り返ることができなくなっていくのはきっとこれからもよくあることなんだろうなぁ……と思いました。
こういうことがあったので、幻想万華鏡時代の熱狂をここに書き記しておこうと思った。
「いかがでしたか?」のような胡散臭いページにあふれかえっている現代で、過去の情報を得るには個人サイトが一番有用、と言われているのを時々見かけますが、自分もそんな風にして当時の東方界隈の沸き立ち具合の記録をインターネットの片隅であるここに置いておきます。

日記