memo

ジャンルのこと、サイトのことなどモリモリ書き散らしてます。CPについての語りも急に飛び出すので注意。▶︎サイトに戻る

No.108

#サイコダイバーシリーズ

言っているうちに叶雪の声が、だんだん高くなってゆく。
唇がぬれぬれと光り、目が異様な光を帯びてきた。
凄まじいほどに美しく、淫らな女がそこにいた。
くろぐろとしたものが、この可憐な女の白い肉の中でうねっている。
何かが、叶雪の肉の内部で、ぶっつりと切れた。
その瞬間、おれの頭に浮かんだのは、あの自我のタールの海から、あのでかい黒い虫が、完全に這い出て来た映像だった。
見ているうちに、みるみる叶雪の顔が変貌を始めた。
凄絶な美しさをそこに残しながら、可憐な、あどけないものが、その表情から抜け落ちていった。
魔性の眼が、おれを見た。


昨日久しぶりに「魔性菩薩」を読み返してたんですけど、ああ~めちゃくちゃ良すぎる……と再認識しました。
魔性のものとかうつくしいものを描写する時に、自分、夢枕先生の影響かなり受けてるだろうな……と思いながらいつも書いてます。
「魔性菩薩」はサイコダイバーシリーズ内の一作品で、エログロ描写がかなり強いのと当時の中年向けの娯楽小説だったので過激描写が多いためになかなか人に勧めづらいのですが、やっぱり上記の文といい、一部の人にはたまらないだろう描写がたっぷり入ってて読むたびサイコ~になります。

日記