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遺書代わりの小説9
女児というものが大抵そうであるように、私もまた文房具や雑貨などのこまごまとしたものを愛していた。特に好きなのが消しゴムだった。色つきのものや香りつきのもの、動…
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天罰
シルバーアッシュはここのところ、ドクターを殺す妄想ばかりしている。 ドクターに対して、恨みや殺意が特別あるわけではない。ただ、一種のままごと遊びのように、頭…
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銀博♂(アークナイツ)
何もかもが平和になった後、ドクターは前にもまして眠るようになった。 一日の半分以上の時間を、ベッドの中でまどろむことに費やしている。医者が言うには、肉体的に…
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リバース:1999のおすすめ星5キャラまとめ
(※元々はてなブログに書いた記事をサイトに転載しています) (※まだ育成していない、使っていないキャラもいるので、後日追記する可能性大) 今更なんですけど、リバ…
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臓器を体内に飼っている
今日の午前中、Xが事務所まで来た。エレベーターから下りて、一番近いカウンターにいる先輩へまず声をかけた。 「うちの部署が、有給申請書の原本まで使っちゃったみた…
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2と1のろうそく
深夜二時。 家族に気づかれないよう、家を出るのに苦労した。 玄関の扉を閉めた瞬間、軋んだ音が僅かに響いて、両親が起きだしやしないかとしばらく扉の前でビクビクして…
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うしなわれた彩画
秋せつらは、メフィスト病院のとある一角に忍び込んでいた。ここの院長がまた、悪趣味なダミー作りに精を出していないかと偵察に来たのだ。 奥へ進んでいくうちに、見…
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文美(サイコダイバーシリーズ)
「おや」 美空が声を上げる。彼の視線の先へ文成が目をやると、マンションの物陰から一匹の猫が現れるところだった。 このマンションの中には、美空の事務所が置かれてい…
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毒美(サイコダイバーシリーズ)
美空は、大ぶりなワインでグラッパを飲みながら、目の前にいる男を不思議な気持ちで見つめていた。向かいの席で、毒島は微かな微笑を口に留めながら酒を飲んでいる。つい先…
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双貌
せつらは大きな紙袋を持って、メフィスト病院を訪れた。 受付の前を横切って、院長室を通り過ぎ、迷いなく向かった先は、とある病室だった。 スライド式の白いドア…