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くっついてください
寝巻きに着替えた賢者様は、着膨れている普段の姿も相まって、ひどく痩せっぽっちに見える。北の国でよく見かける、飢餓寸前の野うさぎを思わせる姿だ。けれど、この細い手…
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あんな風に笑うくせに
これが夢であることを、ミスラはすぐに理解した。忌々しい厄災の傷によって不眠症を負わされてからというもの、夢自体を見ることが少なくなったミスラだが、それでもたった…
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飴玉
※何らかの力によって元の世界に戻されそうになる晶くんを連れ戻すミスラがいます ガタン、と大きく体が揺れて、晶は弾かれるように飛び起きた。慌てて周囲を見渡すと、「…
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発露
ミスラの隣で幾つもの夜を明かした末に、賢者が実感していることが一つだけある。 今現在、賢者はベッドの上でミスラとじゃれあってる最中だった。仰向けに横たわる賢者の…
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肉つき
賢者と共に街に出かけたミスラは、見知らぬ女に声をかけられた。 年末を目前に控えた街は、普段以上の活気を見せており、いつもなら見られないような出店も多くある。ミス…
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代替
西の国で依頼をこなし魔法舎に帰還した賢者は、真っ直ぐに自室へ向かった。ドアを開けて、室内に足を踏み入れると、慣れ親しんだ部屋が彼を出迎える。 すると、主が居ない…
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必要ありませんよ
今日のミスラは不機嫌だった。ベッドの上で猫のように丸くなり、シーツを噛んでキシキシと歯軋りをさせている。それに、ベッドに腰掛けている賢者に対して、背中を向けて寝…
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談話室
ミスラは談話室の一人がけのソファーに座り、ひたすらに目を閉じていた。高級そうな布地で作られた、ふかふかとした肘掛けの感触を両手に感じていたが、ミスラがそれを心地…
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ドーナツ
日付が変わる直前になっても、ミスラは魔法舎に帰っていなかった。賢者はミスラの私室のベッドに腰掛け、ぼんやりと部屋主を待ち続けた。添い寝の約束をしていたわけでは無…
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無題
「ミスラのほうきって、かっこいい見た目ですよね」 深夜、いつものようにミスラの部屋を訪れた賢者は、ベッドサイドの椅子に腰掛けて、ベッドに横たわるミスラと手を繋い…