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神さまみたいなつくりの男
午後の講義が終わって、学生たちが次々席を立っては帰り支度をしている。そんな中で、晶は席に着いたまま、ため息をついて大きく伸びをした。今日はバイトも無い。このま…
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誰かに撒いた餌か毒
恋人から電話がかかってきたのは、午後の仕事がちょうどひと段落した頃だった。着信名を確認し、電話をつなぐ。 「フィガロ?」 雑音越しに聞こえる恋人の声に、思わ…
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水を吐いては息継ぎをする
はじめてそこに連れていかれた日のことを、晶はよく覚えている。晶が小学二年生の時の、冬のように寒い秋の昼間のことだった。 受付をする母親の後ろ姿。いかにも待合…
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遺書代わりの小説6
その日の中休み、クラスの女子に「四葉のクローバーを探すのを手伝って欲しい」と言われた。私は了承し、放課後にその子と校庭に出て、クローバーがたくさん生えている一…
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銀博♂(アークナイツ)
またいつものように、シルバーアッシュが突然ロドスを訪ねてきた。手土産を持ってきて。龍門の月餅。紙袋に入ったそれを受け取りながら、「そんなにお喋りする時間はない…
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輝かしい夜を見た
「一ヶ月ほど、音信不通になるかもしれません」 ホテルの最上階にあるレストランで、美空は突拍子もなくそう言った。それを聞いて、毒島は手を止めて言葉の続きを待ったが…
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タル鍾(原神)
「これ、何の音?」 タルタリヤがそう言った。テーブルの対面に座る鍾離がそれに答える。 「弦楽団の演奏だろう。今日あたり、璃月港に寄ると聞いていた」 「へええ、…
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タル鍾(原神)
「寒いね」 公子殿が言う。それをどこか遠く、水槽越しの音のように聞いていた。 「雪は好きだけど、スネージナヤの雪とは違うんだもんな。あっちの方が少し乾いてる。…
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同棲クレトゥイ(3/3)
養子を迎えるなら、互いの両親と良好な関係を築いていなければならない____。クレイグの頭の中に、想像したくもない未来が次々と浮かび上がってくる。やっと迎えた養子…
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同棲クレトゥイ(2/3)
※米国の制度などかなり捏造しています クレイグの職場は、サウスパーク外のオフィス街に存在する。いつもと同じ時間に家を出て、職場まで車を走らせたクレ…