アークナイツ
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どうもこうもない(※R18)
「でも、セックスはしばらくできないよ」 シルバーアッシュがドクターと恋人同士になって、まず最初に告げられたのがそれだった。 恋人になる。その言葉に含まれる甘…
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思慮分別のない獣が二匹(※R18)
「汚れちゃわない?」 ドクターの言葉に、改めて自分の格好を見下ろす。コートを脱いだだけで、あとは普段と変わらない服装だ。それに反して、目の前の彼は防護服も下着…
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水底
試したいことがあるんだ、とドクターが言った。それを聞いたテキーラは、良くない胸のざわめきを表に出さないよう努めながら「手伝うよ」と返した。お利巧な彼はもちろん…
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旅路
テキーラはよき隣人だった。 聡明で、穏やかで、他人の庭先に無理やり踏みこむようなことは何があってもしなかった。家族にもそうである。そう、彼は家族に対しても「…
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芽生え
朝五時。まだ日が昇りきっていない時間に、ムリナール・ニアールは自室の洗面所に立っていた。自室と言っても、ロドス本艦内で彼に割り当てられた部屋のことである。 …
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魔性
「変わった人なの」 と、前もって姪に教えられていた。 「でも、全然嫌な感じはしなくてね、なんていうか、優しくていい人なんだよ」 そう言われても、イメージが全…
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ふさわしい相手
「時々考えるんだ」 ドクターはそんな風に切り出した。 「君にはもっとふさわしい相手がいるんじゃないかとね」 「ほう」 言葉を返したのは、ドクターの隣に立つシ…
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電話
「いると思わなかった」 電話を繋いだ瞬間の、第一声がそれだった。 執務室の卓上に置かれた、アンティーク調の電話機。そこにかけてくる者は限られていた。耳に飛び…
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遊戯
ビリヤード台の木枠が、照明を受けて濡れたように光っている。ロドス艦内の娯楽室に置かれているものだ。細かな傷はあるものの、高価な代物であると分かる。ここに入院し…
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シャワールーム
生白い素足だ。 ベッドの上で上体を起こし、眠る友人を見下ろしながら、シルバーアッシュはそう思った。 シーツの上に、白い足が投げ出されている。すぐ隣で眠るド…