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フィガ晶♂(魔法使いの約束)
「ここが賢者様の家?」 そんな声と共に、少しも汚れていない靴下を履いた足先が、ふわりとフローリングに降り立つのを晶は見ていた。あっちの世界に居た時と同じように、…
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フィガ晶♂(魔法使いの約束)
この人の核に触れることができた、と晶が思えた瞬間が一度だけあった。 それはサークルの新入生歓迎会でのことだ。晶の通っている大学近くには大きな公園があり、時期も…
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銀博♂(アークナイツ)
「ドクターって、きれいな顔してますよね」 アドナキエルのその言葉に、過度な羨望は含まれていないように思えた。例えるなら、「うさぎの耳は長いですね」と言うのにも似…
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ミス晶♂(魔法使いの約束)
「治してください」 その声と共に、突然室内に現れた扉を見ても、フィガロは特別驚かなかった。その扉から現れたミスラと、ミスラの手に抱えられた見覚えの無い男を見ても…
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リオリネ(原神)※R18
リオセスリさんから注文がある時は決まって面倒くさい。いつもみたいに突然ベッドに押し付けられる方がずっと楽だ。 ベッドの脇、床に膝をついている自分の視界が、彼の…
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銀博♂(アークナイツ)
何もかもが平和になった後、ドクターは前にもまして眠るようになった。 一日の半分以上の時間を、ベッドの中でまどろむことに費やしている。医者が言うには、肉体的に…
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文美(サイコダイバーシリーズ)
「おや」 美空が声を上げる。彼の視線の先へ文成が目をやると、マンションの物陰から一匹の猫が現れるところだった。 このマンションの中には、美空の事務所が置かれてい…
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毒美(サイコダイバーシリーズ)
美空は、大ぶりなワインでグラッパを飲みながら、目の前にいる男を不思議な気持ちで見つめていた。向かいの席で、毒島は微かな微笑を口に留めながら酒を飲んでいる。つい先…
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メフィせつ(魔界都市ブルース)
薄暗い廃工場の中で、美しい影がに倒れ伏していた。数メートル離れた場所に、血まみれの死体が転がっている。たった今、せつらが倒した男だった。 白い頬を、砂利とガラス…
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夜せつ(魔界都市ブルース)
「秋さんはひどいです」 「なんで?」 閨の中で隣から向けられた言葉に、せつらは機械的に返事をした。あからさまに感情のこもっていない声だった。隣に横たわる男──夜…