砂城あかね
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遺書代わりの小説10
その日、あかねちゃんは登校してすぐにランドセルを置く間もなく私の席へ突撃して(ミサイルのような勢いだった)、興奮しきった様子で昨晩見た映画のことについて聞かせ…
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SS(砂城あかね)
少し時間が飛ぶ。私が大学を卒業して、管理栄養士として働いていた時のことだ。 私は地元を離れて、他県のO市に移り住んでいた。新卒で入社した企業は、割と大きめの介…
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遺書代わりの小説9
女児というものが大抵そうであるように、私もまた文房具や雑貨などのこまごまとしたものを愛していた。特に好きなのが消しゴムだった。色つきのものや香りつきのもの、動…
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遺書代わりの小説8
はじめてあかねちゃんと話した日のことを書こうと思う。 私が三年生の時の真夏日だった。 その日は、母親の友人が朝から家を訪ねてきていた。二人は居間のテーブル…
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遺書代わりの小説7
四年生の頃、一日の終わりにする帰りの会に、「みなさんから」という項目があった。日直の「みなさんから何かありませんか」という号令を機に始まる。 その名の通り、…
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遺書代わりの小説6
その日の中休み、クラスの女子に「四葉のクローバーを探すのを手伝って欲しい」と言われた。私は了承し、放課後にその子と校庭に出て、クローバーがたくさん生えている一…
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遺書代わりの小説5
小学生の頃、私は他人より少しだけ絵や文をかくのが得意だったので、何度か表彰される機会があった。表彰と言っても、ほとんどが全校集会中に壇上でやる程度のものだ。 …
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遺書代わりの小説4
小学生の頃、私はN市の一軒家に、父と母との三人で暮らしていた。 家は、私が保育園児になってから移り住んだものらしいが、狭く窮屈でボロボロだった。四年生の途中…
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遺書代わりの小説3
それは昼休み中のことだった。 私は教室で自席に座り、シール帳を広げてははいじくりまわしていた。小学四年生の頃の担任は寛容で、他のクラスなら禁止されていただろ…
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遺書代わりの小説2
「Aちゃん、音読してるときいっつもふらふらしてる」 あかねちゃんがそう言っていたのをよく覚えている。 国語の時間に行われる「音読」が、私には憂鬱で仕方がなか…