煉蛇
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人殺したちのたわむれ
初夏の心地よい日だった。日差しは暖かいのに、風はちょうどいい塩梅で冷えている。温まった体の隙間を、ひんやりとした風が吹き抜けていくのはひどく気持ちが良かった。 …
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煉蛇(犬夜叉)
「では、後日また来ます」 そう言って、煉骨が豪奢な作りの家から出てくる。商談かなにかしていたのだろう。顔の模様は隠して、服も墨染めの法衣を着ているため、そこらに…
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煉蛇(犬夜叉)
蛇骨は蓮の花をあまり好きではなかった。別に花というものに対して、いちいち好きだの嫌いだの考えるたちでも無かったが、蓮に対しては何か違和感のようなものを抱いていた…
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煉蛇(犬夜叉)
赤い紫陽花の下には、死体が埋められている。煉骨がそう教えても、蛇骨はいまいちピンときていないようだった。 「なんで、赤くなんのさ。血を吸うからか?」 「多分、違…
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煉蛇(犬夜叉)
道端に、赤く丸いものが点々と落ちていた。黒く湿った土の上で、その赤々としたものは妙に鮮やかに見える。蛇骨はそれに近寄って、そっと拾い上げてみた。なんてことはない…
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煉蛇(犬夜叉)
蛮骨と蛇骨が他愛無いお喋りをしていると、話題が煉骨のことになった。煉骨が女を買いに行く姿を見たことがない、と蛮骨は言うのだ。 「不能なんじゃねえの」 にんまりと…
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煉蛇(犬夜叉)
「おい、起きろ」 昼間から惰眠を貪っていた蛇骨は、煉骨に頭を小突かれてようやく目を覚ました。どうやら昼飯ができたらしい。炊けたばかりの飯の匂いが、ねぐらの中いっ…