欲深い二匹(※R18)

※晶くんが割と積極的、♡喘ぎ、潮吹きあります
※書きたいところだけ書いた

 

「可愛い」と耳元で囁かれて、それだけで賢者はくたりと脱力しそうになる。
背後から抱きしめられているために、背中に感じるミスラの体温も、キツく抱きしめる二本の腕も、耳の穴に吹き込まれる生温かい息も、賢者は気持ち良くて仕方がなかった。それら全てが、ミスラから賢者への愛情の大きさを示しているようにさえ思えた。
賢者を抱きしめたまま、ミスラの片手が賢者の下履きの中に入っていく。肌を撫でるようにして下腹部に向かっていった手は、そのまま下着の上から性器を包み込んだ。既にゆるく勃ち上がったその感触に、ミスラが満足気に吐息を溢す。その息遣いさえひどく色っぽくて、賢者はくらりとした。
ミスラは下着の上から、賢者のペニスを布越しに愛撫する。五指を満遍なく使って、下から上に撫で上げるように、時々先走りを滲ませた先端をくるくると刺激して、硬さを増すそれを愛おし気に包む。普通にペニスを扱くのに比べると、あまりにももどかしい刺激だった。それもあって、賢者は無意識のうちに、ミスラの手へ擦り付けるように腰を動かす。発情した犬にも似た無様な腰使いに、それを見下ろしていたミスラは堪らなくなった。口の中に溜まった唾に興奮をいっぱい含めて、すぐそばの賢者の耳の穴に、たっぷりと舌に絡めたそれをまぶす。唾液を耳穴に塗りたくりながら、ミスラはその合間に囁いた。
「あきら、すき、だいすきですよ……」
「んっ、はぁ、ああぁ……っ」
濡れた耳に吹き込まれる熱い息に、賢者はぶるりと全身を震わせた。きもちいい、だけで頭の中でいっぱいになる。快感を得ることしか考えられなくなって、腰を振り立てて、ミスラに愛撫されるがままに、声を漏らす。
その一方で、これではいけない、と冷静に諭す声も確かにあった。熱に浮かされた頭の中で、消え入りそうなその声が、賢者に何度も囁く。こんなことを、ミスラとしてはいけない。自分は役目のためにここに来たのに、それも忘れて、いやらしいことに耽って。賢者として、みんなと平等に接するべきなのに、ミスラとだけ、こんな……。
しかしその声も、すぐにかき消される。ミスラの手が、賢者の下着を下履きごと脱がしたからだ。一瞬だけ下着のゴムにカリ首が引っかかり、勢いをつけてずり下ろされると、勃起しているペニスが跳ねるように飛び出た。下着の中で、汗と体温とで熱を帯びていたそれが、一気に外気に触れる。その冷たさが心地よい。さっきまで自問自答に集中していた賢者は、その温度差にいっそう頭がぼんやりとしていく。ミスラにされるがまま、まるで赤ん坊のように衣服を脱がされる。そして、ベッドの上に仰向けに寝かされた。
ミスラの長い指が、賢者の太ももを掴んだ。そのまま、でんぐり返りをするように、不自然な体勢で脚を左右に広げられる。下半身に何も身につけていない賢者は、ペニスも後ろの穴も、発情して蕩け切った顔も、全てミスラの目に晒す状態になった。賢者を見下ろすミスラの目は、目元を甘くゆるめながらも、瞳の奥に隠しきれない興奮を覗かせていた。獣性と呼んでもいいくらい、暴力性と本能をまとったそれに、賢者の腹の底がきゅんと疼く。後ろの穴が、ひくりと収縮した。
それに合わせて、まるで女の性器のようにとろりとした生温かい液体が、穴から溢れて尻を伝っていく。それは気のせいではなく、実際に透明な液体が、賢者の尻から溢れ、なめらかな肌の上を伝っていく最中だった。ミスラの目が、じっとりと熱を帯びて、その液体を視線で追う。口を開いたミスラの声はいつもより低く、情動を無理やり押さえ込もうとしているのだと分かった。
「また、自分で解してきたんですか」
「だってすぐに挿れて欲しくて……」
バクバクとうるさい自身の鼓動を聞きながら、賢者は答えた。ミスラと行為をすると分かっている日、賢者は自分で解してミスラの元を訪れるのが習慣のようになっていた。それに加えて、潤滑用のローションも前持って尻に注いでおく。ミスラの元に辿り着く前に垂れてはいけないので、少量を尻の奥に入れただけのはずだが、興奮のあまりだらしなく緩んだそこから、たった今溢れてきたのだ。焼けつくような視線を受けて、賢者の尻穴は今もひくついていることだろう。
「……本当、いやらしい人ですね」
少し前まで処女だったくせに、と独り言のように言って、ミスラは賢者の脚から手を離す。そして、自身のベルトを剥いで下履きを下ろす。勃起したペニスが、賢者の目の前に現れた。大きく膨らんで、血管を浮かび上がらせた、グロテスクなペニスに、賢者はうっとりと目を潤ませる。早く欲しくて、賢者は自身の膝裏を抱えるように手で持った。その様子に舌なめずりしながら、ミスラは二、三回ペニスを扱く。すぐに硬さを増したそれは、濃厚な雄の匂いをさせながら、先端から先走りを溢れさせた。
獣のような息遣いが、徐々に賢者に迫る。それが今覆い被さろうとしているミスラのものであると分かっている賢者は、まるで死刑宣告を待つ囚人のような気持ちでそれを聞いた。瞳孔の開き切ったミスラの目が、賢者を見下ろす。待ち受ける快感と、満たされるだろう征服欲に期待を膨らませた目。火のように熱を帯びた先端が、賢者の尻に押し当てられる。ずぬ、と僅かに沈み込んで、来るだろう快感に身構えるために、賢者が一旦体を脱力させた直後、狙ったかのようにミスラが一気に腰を突き入れた。
「〜〜〜〜〜ッッッ♡、っは…………♡♡♡」
あまりの衝撃に、賢者の両目がぐるりと半分上を向く。思わず賢者が仰反ると、それに合わせて引き伸ばされた腸が硬くそそり立ったペニスの感触を敏感に感じ取った。目の前がチカチカと光って、声を上げることすらできない。ぴゅっと音を立てて、賢者のペニスが射精する。ぱたぱたと薄い腹の上に精液が散って、ミスラはまるで征服の証のようにそれを眺めた。
予めとろとろに解されていた尻穴は、ミスラのものを容易く飲み込んでいる。そのために入れたばかりでもスムーズに動くことを知っているミスラは、激しいピストンを始めた。
「ア゛ッ♡だめえっ♡、まだ、イッてぅのにいッッッ♡♡♡」
「っは、知ってますよ……っっ」
張ったカリ首に、限界まで腸壁を広げられて、そこを膨張した幹に撫で回される。あまりに激しすぎるピストンに、結合部でローションと先走りが泡立つ。息を吐く間も無く快感を叩き込まれて、賢者はだらしなく開いた口でひたすらに喘いだ。
「ア゛〜〜〜ッッ♡♡♡やだっっっ♡きもち、いっ♡♡♡」
賢者の両目から、生理的な涙が溢れ出す。それは顔を伝って口から垂れた唾液と混ざり合い、シーツに染み込んでいく。目は虚ろで、寄せられた眉はまるで苦痛に耐えているようだ。表情だけなら、ミスラが単に賢者を痛めつけているだけに思えるかもしれないだろう。しかし、その顔より下には、硬く尖った乳首と、また硬さを取り戻したペニスが晒されていた。賢者のペニスはピストンに合わせてパタパタと揺れ、先走りを自身の体のあちこちに垂らしている。普段魔法舎で賢者として振る舞っている時とは真逆のその姿に、ミスラは形容し難い興奮を得た。例え彼が、この世界に存在するあらゆる魔法使いや人間に求められる賢者であっても、こうして快楽に溺れる「晶」だけは、頭のてっぺんから爪先まで、全てミスラだけのもののように思えた。
興奮のままに、ミスラはそのまま叩きつけるように腰を振った。太いペニスが、前立腺を掠めながらより奥の方を突き上げる。押し出されるようにして、賢者は堪らず舌を突き出した。それでも、ミスラのピストンが激しさを抑えることはない。
体勢からして、賢者はやや上からペニスに貫かれており、ベッドのスプリングとピストンとの間に挟まれている状態である。それなのに、奥を叩き潰されるたびに、まるで深海から水面へ浮上した時のような感覚が一瞬だけある。絶頂が近いのだ、と賢者は自覚した。
気持ちいいとはいえ、自分のペースとは関係なく、ほぼ強制的に与えられる絶頂は、ほとんど暴力と同じである。賢者は無意識のうちに体をこわばらせ、絶頂を一秒でも遅らせようとする。
しかしミスラがそれを許すわけもない。ガクガクと賢者の体を揺さぶるほどに突き上げながら、少しずつ、大きな快感の波を与えようとする。
「ヒッッ♡、アッ♡ミっ♡待ってっっ♡♡ア゛ッ♡♡」
ぐぽ、という音がピストンするたびに結合部から漏れる。おかしくなる、このまま上り詰めて、あたまが真っ白になって、きもちよくて、なにも考えられなくなって……。本能的な恐怖が、賢者の体を強張らせる。けれどミスラにとっては、絶頂のタイミングを知らせるだけだった。ずぽ、と先端が抜けるギリギリまで、尻穴からペニスを引き抜く。満たすものが無くなった腸壁が一気に弛緩する。賢者の体からふっと力が抜けて、虚ろな目が一瞬だけ意識を取り戻す。それを覗き込みながら、ミスラは甘やかに囁いた。
「晶」
「賢者」と呼ばれるよりもずっと、鮮明に意識を引き戻すその言葉に、賢者の五感が一瞬にして敏感になる。その瞬間に、ミスラは最奥までペニスを叩きつけた。
「……っひ♡♡♡、ァ……♡ア゛ーーーーッッッ♡♡♡」
白目を剥いて、ビクビクと痙攣しながら賢者は悲鳴を上げた。途方もない快感が、一気に賢者の体を駆け上がる。ぷしゅっ、という音がして、尿に似た液体が賢者のペニスから吹き上がる。それがペニスから溢れていく感覚と、その反対に温かい精液が体の奥に注がれていく感覚。その二つが、賢者の体をバラバラにする。
視界が真っ白になりながらも、賢者は焼けつくような視線を冷静に感じ取っていた。快感にだらしなく緩んだ顔や、ピンと尖った胸や、潮吹きをするペニス、男のモノを咥え込んでヒクついている穴にまで、粘つくような視線が注がれる。それがミスラのものだと分かっているのに、そんなはしたない自身の姿を隠す気力さえ今の賢者には無かった。途方もない羞恥心に身を焦がしながら、賢者は強すぎる快感に、ただ意識を手放すしかできなかった。