アルカヴェ

　部屋に射し込む日差しのまばゆさに、カーヴェは目を覚ました。むずがる赤子のように、顔をしかめては目を擦っている。 　彼はタオルケットを目元まで引き上げた。覚醒し…

  この歳に至るまで、性行為の経験が無かった。理由は明白で、他人に失望されたくなかったからだ。 　「そういう行為」をしようとした時、ある種の「役目」を…

　アルハイゼンの舌に、口の中を探られるのが好きだった。濡れた粘膜の隅々まで、彼の舌先が触れていく。ただそれだけで、手指から力が抜けていくほどに気持ちよかった。 …

「君は痛いのが好きなのか」 　そう尋ねられたとき、その言葉の意味をすぐには理解できなかった。蒸し暑い夜で、ベッドの上で絡ませた手足は、直前の行為のせいで火照って…