蛮骨と蛇骨が他愛無いお喋りをしていると、話題が煉骨のことになった。煉骨が女を買いに行く姿を見たことがない、と蛮骨は言うのだ。
「不能なんじゃねえの」
にんまりと笑いながら言う蛮骨に、蛇骨は反論する。
「それは無いと思うぜ」
「なんでだよ」
「なんでって、まあ……」
自分が煉骨と寝てるから、というのは口が裂けても言えなかった。
「あれで不能だったら、もっと根暗で陰険な性格になってそうじゃん。霧骨みたいにさ」
「別に霧骨は不能じゃねえだろ」
「例えだって例え」
そこで会話が一旦途切れ、蛮骨がはあ、とため息をついた。
「でもよ、ああいうタイプの男がどんな顔して股間をおっ立てて突っ込んでるのか、一度でいいから見てみたいだろ」
そんなら今晩、俺と兄貴が致してるのを覗きにくればいい。と馬鹿正直に返すわけがなく、蛇骨は「確かにな」と曖昧にうなずくだけだった。