アークナイツ
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聞き分けのない子供
申し訳ないけど、と口にした瞬間、目の前のオペレーターはあからさまに肩を落としていた。 悪いことをしたな、と思った。ついさっきまでの、緊張でこわばっていた彼の…
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口紅と小鳥
きっとこのくらいが丁度いい。ロドスを離れるたびに、シルバーアッシュは自身にそう言い聞かせていた。好んだ相手と四六時中いっしょにいたら身が持たない。一ヶ月に何度…
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血肉と香水
「いい匂いがする」 ドクターのその言葉が、シルバーアッシュの視線を捉えた。微笑を含んだ瞳だった。 明らかにオーダーメイドだと分かるスーツ越しに、花や果物とは…
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どうもこうもない(※R18)
「でも、セックスはしばらくできないよ」 シルバーアッシュがドクターと恋人同士になって、まず最初に告げられたのがそれだった。 恋人になる。その言葉に含まれる甘…
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思慮分別のない獣が二匹(※R18)
「汚れちゃわない?」 ドクターの言葉に、改めて自分の格好を見下ろす。コートを脱いだだけで、あとは普段と変わらない服装だ。それに反して、目の前の彼は防護服も下着…
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水底
試したいことがあるんだ、とドクターが言った。それを聞いたテキーラは、良くない胸のざわめきを表に出さないよう努めながら「手伝うよ」と返した。お利巧な彼はもちろん…
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旅路
テキーラはよき隣人だった。 聡明で、穏やかで、他人の庭先に無理やり踏みこむようなことは何があってもしなかった。家族にもそうである。そう、彼は家族に対しても「…
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芽生え
朝五時。まだ日が昇りきっていない時間に、ムリナール・ニアールは自室の洗面所に立っていた。自室と言っても、ロドス本艦内で彼に割り当てられた部屋のことである。 …
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魔性
「変わった人なの」 と、前もって姪に教えられていた。 「でも、全然嫌な感じはしなくてね、なんていうか、優しくていい人なんだよ」 そう言われても、イメージが全…
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ふさわしい相手
「時々考えるんだ」 ドクターはそんな風に切り出した。 「君にはもっとふさわしい相手がいるんじゃないかとね」 「ほう」 言葉を返したのは、ドクターの隣に立つシ…