魔界都市ブルース
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うしなわれた彩画
秋せつらは、メフィスト病院のとある一角に忍び込んでいた。ここの院長がまた、悪趣味なダミー作りに精を出していないかと偵察に来たのだ。 奥へ進んでいくうちに、見…
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双貌
せつらは大きな紙袋を持って、メフィスト病院を訪れた。 受付の前を横切って、院長室を通り過ぎ、迷いなく向かった先は、とある病室だった。 スライド式の白いドア…
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メフィせつ(魔界都市ブルース)
薄暗い廃工場の中で、美しい影がに倒れ伏していた。数メートル離れた場所に、血まみれの死体が転がっている。たった今、せつらが倒した男だった。 白い頬を、砂利とガラス…
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夜せつ(魔界都市ブルース)
「秋さんはひどいです」 「なんで?」 閨の中で隣から向けられた言葉に、せつらは機械的に返事をした。あからさまに感情のこもっていない声だった。隣に横たわる男──夜…
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じゃれあい
魔界医師の顔に僅かな陰りを見つけたせつらは、あの芒洋とした声でこう聞いた。 「もしかして、疲れてる?」 その言葉に、メフィストは目だけ動かしてせつらを見る。黒檀…
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白昼夢のようにそこに現れた
目を覚ました時、せつらは霧の中で立ち尽くしていた。 乳白色の、濃い霧である。それがせつらを囲んでいるのだ。 二メートル先さえ見えず、天を仰いでも、空も天井…
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聖遺物じみたそれ
清潔なベッドの上で、せつらは目を覚ました。 薄青い闇が、部屋中を満たしている。重傷を負い、メフィスト病院で身を休めている最中だということを、彼は思い出した。 横…
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不道徳なパラレルワールド(※R18)
※せつらの倫理観が終わってます ※夜せつ屍せつメフィせつごったまぜです 肌を這い回る舌は、鳥肌が立ちそうなほどに冷えている。けれど、体が火照り始めると、それは心…
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まんじゅうメフィスト
院長直々に呼び出され、メフィスト病院を訪れたせつらを出迎えたのは、無人の院長室だった。 「あいつ、呼び出しておいてどこ行ったんだ」 黒檀のデスクにも、豪奢なソフ…