ss
-
毒美(サイコダイバーシリーズ)
美空は少し前のことを思い出していた。 地面に置かれた部下の生首を、車で轢き潰した時のことである。敵の罠である可能性があったにせよ、美空は少しも躊躇せずにその生…
-
毒美(サイコダイバーシリーズ)
「会いたかったぜ」 開口一番、毒島はそう言った。 高層ビルの屋上で、熱風じみた夏の夜風になぶられながら、美空は毒島と向かい合っていた。毒島のすらりとした長身は、…
-
暮博♂(アークナイツ)
シャレムは美しい容姿の男だった。しかしそれは元々の顔のつくりの良さだけでなく、日頃の手入れによって維持されたものでもあるらしかった。彼は劇団に入った頃から、見…
-
毒美(サイコダイバーシリーズ)
「鳳介の野郎は?」 美空を背後から呼び止めた毒島の、第一声がそれだった。 二人は今、小田原の御幸ヶ浜にいる。砂浜に立ち尽くし、海を眺めていた美空の元へ、毒島が後…
-
毒美(サイコダイバーシリーズ)
「紹介しますね。こちらが毒島獣太さんです」 美空の言葉を聞いて、関根はその白い手が指し示す先へ目を向ける。背の高い、驚くほどに顔の整った男がそこにいた。何故か妙…
-
毒美(サイコダイバーシリーズ)
「いやあ、本当によかった……美空先生にやっていただいて正解でした。いや、全く、何とお礼を申し上げるべきか__」 美空の住むマンションの応接室で、中年の男が皮のソ…
-
毒美(サイコダイバーシリーズ)
「何が楽しくて、男と海を散歩しなきゃならねえんだろうな」 「そう思うなら、ついてくるのをやめてはいかがです」 「ふん__」 毒島は、潮風になぶられている前髪をか…
-
ミス晶♂(魔法使いの約束)
ミスラは、今自分が夢の中に居ることを自覚していた。 目の前には、クリーム色をした床と、小さなベッドがある。それ以外にも、クローゼットのようなものや、壁や窓などこ…
-
ミス晶♂(魔法使いの約束)
これは、ミスラが賢者と知り合ってまだ間もない頃のことだった。 とある昼下がり、ミスラは魔法舎の最上階の窓に腕を預けて、そこから中庭を見下ろしていた。花壇には、ル…
-
毒美(サイコダイバーシリーズ)
いつになく、ひるこの婆あが静かだった。理由は分かっている。美空の尻に見惚れているからだ。 美空が窓際に身を寄せて、向かいのビルの様子を窺っている。その背後にひる…