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毒美(サイコダイバーシリーズ)
美空は、大ぶりなワインでグラッパを飲みながら、目の前にいる男を不思議な気持ちで見つめていた。向かいの席で、毒島は微かな微笑を口に留めながら酒を飲んでいる。つい先…
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メフィせつ(魔界都市ブルース)
薄暗い廃工場の中で、美しい影がに倒れ伏していた。数メートル離れた場所に、血まみれの死体が転がっている。たった今、せつらが倒した男だった。 白い頬を、砂利とガラス…
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夜せつ(魔界都市ブルース)
「秋さんはひどいです」 「なんで?」 閨の中で隣から向けられた言葉に、せつらは機械的に返事をした。あからさまに感情のこもっていない声だった。隣に横たわる男──夜…
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毒美(サイコダイバーシリーズ)
「ところでよ」 「はい」 「本当の名前は、いつ教えてもらえるんだい」 その言葉に、美空は心持ち首を傾げてみせた。そして、隣に座る男へ視線を向ける。きっちりと折り…
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毒美(サイコダイバーシリーズ)
「やい、美空」 突然そう声をかけられても、美空は驚かなかった。その声の持ち主が毒島であることも、その毒島が背後にいたことにも、彼はずっと前から気がついていたのだ…
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蛮蛇(犬夜叉)
蛮骨は、自分が産まれた日のことをよく覚えている。 母親の股からひり出されて、眩しい光の下に晒された瞬間から、蛮骨の記憶は始まっていた。そういった記憶を、ただの思…
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蛮蛇(犬夜叉)
「元気出して、お兄さん」 そんな言葉と共に、花を一輪差し出された。名前も知らない、橙色をした百合のような花だった。 花を差し出す女を、蛇骨は無言で睨みつけた。蛇…
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煉蛇(犬夜叉)
「では、後日また来ます」 そう言って、煉骨が豪奢な作りの家から出てくる。商談かなにかしていたのだろう。顔の模様は隠して、服も墨染めの法衣を着ているため、そこらに…
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蛮蛇(犬夜叉)
霧の濃い森の中に、蛇骨は一人で立っていた。蛇骨は空を見上げ、木々の間から太陽を見ようとする。けれど、霧に阻まれているために、輪郭の溶けた、ぼんやりした光として目…
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煉蛇(犬夜叉)
蛇骨は蓮の花をあまり好きではなかった。別に花というものに対して、いちいち好きだの嫌いだの考えるたちでも無かったが、蓮に対しては何か違和感のようなものを抱いていた…