銀博♂
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いつか、もしくは50年後に
乾いて淀んだ空気が、寝室の中に充満していた。朝ではあるものの、朝陽が室内に差し込んでくることはない。窓の外にあるのは、横殴りの吹雪ばかりだからだ。 ベッドで…
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薔薇とチョコレートケーキ
ドクターは、真向いに座る男を眺めていた。 昼間のテラス席。白い、アンティーク調のテーブルと椅子。石棺の中で目を覚ましてから、少なくとも十年の月日が流れていた…
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醜悪
シルバーアッシュは今日の昼前にようやく、カランドが所持している地方の支店に着いたところだった。普段は重役用の応接室として使われているらしい部屋で身を休める。午…
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聞き分けのない子供
申し訳ないけど、と口にした瞬間、目の前のオペレーターはあからさまに肩を落としていた。 悪いことをしたな、と思った。ついさっきまでの、緊張でこわばっていた彼の…
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口紅と小鳥
きっとこのくらいが丁度いい。ロドスを離れるたびに、シルバーアッシュは自身にそう言い聞かせていた。好んだ相手と四六時中いっしょにいたら身が持たない。一ヶ月に何度…
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銀博♂(アークナイツ)
私に煙草を勧めたのはテキサスだった。 彼女が人気のない甲板の隅で、ぼんやりと紫煙をくゆらせる姿を以前から時折見かけていた。 「そんなに美味しいものなのかい」…
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血肉と香水
「いい匂いがする」 ドクターのその言葉が、シルバーアッシュの視線を捉えた。微笑を含んだ瞳だった。 明らかにオーダーメイドだと分かるスーツ越しに、花や果物とは…
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どうもこうもない(※R18)
「でも、セックスはしばらくできないよ」 シルバーアッシュがドクターと恋人同士になって、まず最初に告げられたのがそれだった。 恋人になる。その言葉に含まれる甘…
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銀博♂(アークナイツ)
※博がくたびれた中年の姿をしている設定です 「君か」 目が覚めてすぐ、視界に映るシルバーアッシュの姿に、思わずそう口にしていた。 「起こしたか」 「ううん」 …
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銀博♂(アークナイツ)
ロドス艦内の廊下の隅に、エンヤとエンシアが佇んでいた。 まるでエンシアを慰めるように、身を寄せ合って二人が向かい合っている。彼女たちの服装は普段と違っていた。…