銀博♂
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銀博♂(アークナイツ)
何もかもが平和になった後、ドクターは前にもまして眠るようになった。 一日の半分以上の時間を、ベッドの中でまどろむことに費やしている。医者が言うには、肉体的に…
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銀博♂(アークナイツ)
身支度をするシルバーアッシュの姿を眺めるのが、ドクターのひそやかな楽しみになっていた。 朝、同じベッドで目を覚ました後、シルバーアッシュは仕事用のスーツに着…
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離陸せしめる
これは夢の中の出来事だ。 白と黒を基調にした内装も、手足の感触も、静まり返った屋敷の様子も、すべて夢の中の産物だろう。彼はそう理解しながら、いたって冷静に自…
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銀博♂(アークナイツ)
またいつものように、シルバーアッシュが突然ロドスを訪ねてきた。手土産を持ってきて。龍門の月餅。紙袋に入ったそれを受け取りながら、「そんなにお喋りする時間はない…
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執着と楔
シルバーアッシュと私は、恋人同士から友人関係に、一度だけ戻ったことがある。私の方から彼を振ったのだ。 その当時、私たちの間に性的な触れ合いは一切なかった。口…
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甘やかな虚構
長い戦争が終わって、三年が経った。シルバーアッシュは未だにカランド貿易を経営しており、規模をわずかに縮小しつつも、滞りなく仕事を回していた。 会社を縮小した…
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遺書
「私はね、いろんなオペレーターと友達でいるけれど、特に君とは近しい仲にあると思うんだ」 テーブルを挟んで向かい合うようにして、ドクターとシルバーアッシュがソフ…
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ホットケーキミックスと腐食死体
「責務から逃れたいと思ったことはあるか」 シルバーアッシュからすると、それはほとんどプロポーズ同然の言葉であったのだが、ドクターは眉一つ動かさず「ない」と答え…
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酩酊
ある地方都市の、その寂れた酒場にドクターが現れたのは、ちょっとした偶然によるものだった。 ドクターが店に入った瞬間、客たちは気だるげにその姿を一瞥した。しか…
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私じゃ役に立てないね
吐く息が白い。もう春先だというのに雪が降っている。ドクターは手を擦り合わせた。積もるほどには降っていない。ほんの少しの熱と風で、かき消えてしまいそうなほどにか…